歯周病と原因は?

2019.07.14

歯周病の原因は?

歯周病は、歯に付着したバイオフィルムによって引き起こされる、炎症を伴う感染症です。

バイオフィルムとは、いわゆる歯垢を指す言葉で、またデンタルプラークとも言われています。

歯周病は、痛みを伴うことなく進行することが多いことから、サイレントディジーズとも言われています。

そのため患者さんは、歯周病がある程度進行してしまった状態、例えば、口臭が気になる、歯がぐらぐらする、歯が移動して隙間ができた、といった症状に気づいてから来院される場合が多く、ときには手遅れになることがあります。

歯周病の始まり

歯周病は歯肉炎から始まりますが、適切な処置がなされないと、歯周組織の喪失を伴う歯周炎と進行します。

一度失われた歯周組織は、感染を助長し炎症コントロールしても元には戻らないため、疾患の進行を抑え、再発を予防することが歯周治療の目標となります。

歯周病と歯肉炎との違い

歯肉炎

歯肉炎は歯肉が赤みを帯び腫脹が歯肉に限局し、歯周組織の破壊が見られないものをいいます。

歯肉炎であれば患者さん自身のブラッシングや歯医者さんで行うクリーニングなので歯の表面に付着した歯垢(バイオフィルム)を機械的に除去することによって、健康で正常な状態に戻すことが可能です。

歯周炎

歯周組織を失い、歯周炎にまで進行してしまうと、もはや治療は患者さん自身による歯肉縁上のブラッシングだけでは不十分で、歯医者さん側による積極的な介入が必要です。

機械的に器具を用いて歯肉縁下のプラークや歯石を除去することが必要となります。

歯周治療によって、炎症のない健康で安定した状態に回復する事はできても、いちど失われてしまった歯周組織は元の状態には戻りません。

そのため歯周治療により多かれ少なかれしに行くの大宿が起こってしまう事もあります。

歯周治療を行った後にはこのように歯肉が退縮して歯が少し長くなったように見えてしまうことがあることを覚えておいてください。

歯周組織を守ると言う歯周炎予防を考えると、歯肉炎のうちに歯垢(バイオフィルム)を除去し、炎症をコントロールすることによって歯周炎への移行を食い止める事はとても大切なことです。

歯周治療の目的

歯周病にかかると、歯周組織には肉眼的な臨床所見として、歯肉の発赤、腫脹、歯周ポケットからの出血、排膿、歯の動揺、移動、歯肉退縮、バイオフィルムの付着、歯石の歯面への付着などが見られます。

歯周病とは、歯面に付着したバイオフィルムの中に潜む細菌によって引き起こされる感染症の1種です。

歯周治療の目標

そのため歯周治療の目標は次の2つになります。

⒈ 歯肉炎上、縁下の感染、すなわち歯の周囲に付着したバイオフィルムを除去して歯周組織の健康を回復する。

⒉ 患者さん自身、または歯医者側の徹底したプラークコントロールにより、歯周病の再発を防ぐ。

歯周治療の現場

治療の現場では、バイオフィルムを除去することに加えて、バイオフィルムが付着しにくく、または付着しても清掃しやすい環境に整えることをも大切です。

歯周組織の破壊が進行して、歯周ポケットが深くなると、患者さん自身のブラッシングだけで感染を除去することが難しくなります。

歯ブラシの毛先は届いてもせいぜい歯周ポケット内1〜2ミリまでであり、歯肉縁下の深い位置に付着したバイオフィルムにまでは毛先が届かないのです。

このようなことから歯周炎の治療には、歯科医師、歯科衛生士による積極的な歯肉縁下のバイオフィルム及び歯石の除去が必要になってきます。

審査診断により早期に歯周病の状態を把握して治療を行い、歯周病の進行を止めること、そして再発しにくい環境を作ることが大切です。

歯肉からの出血

歯と歯肉の境目に、いわゆるポケットというものがあります。

ポケットの底からの出血があった場合、ポケット内に炎症があるかどうかは、歯科用の細長い器具を挿入して出血の有無で確認します。

BOPとは

ポケットの底からの出血をBOP(Bleeding on Probing)とよんでいます。

BOPが認められると言う事は、そこに炎症がある、すなわちバイオフィルムによる感染が存在することを示しています。

今度は、BOPが消失すると言う事は、歯周治療により歯肉縁下のバイオフィルムが除去された結果、歯肉縁下の感染を除去できたことを意味します。

プロービングとは

歯周組織の検査項目の1つに、プロービングがあります。

プロービングは歯周組織の状態をはかる指標として存在します。

歯周治療において、歯肉炎、歯周炎の正確な診断を行うためには、プロービングやX線写真を用いた確実な審査が欠かせません。

炎症の程度、変化、歯周組織の破壊の程度を調べるための臨床的使用としては、歯肉炎指数、歯の動揺度、歯槽骨の吸収量、プロービングデプス(ポケットの深さ)などが挙げられます。

歯肉からの出血を評価する指標としては大きく分けると出血指数とプロービング時の出血BOPがあります。

BIは歯肉辺縁部の炎症を、発赤、浮腫、歯肉辺縁部からの出血の有無によって評価します。

歯肉辺縁に炎症が見られる場合その部位の歯肉辺縁にプラークが存在していることを示しています。

BOPは、プロービング時のポケット底からの出血を指し、ポケット内に炎症が存在するかどうかの指標になります。

BOPが見られる場合、歯肉縁下にプラークが存在していることを示しています。

 歯肉から出血が起こる機序

歯面へのバイオフィルムの付着から、歯周組織への炎症性細胞の浸潤が始まります。

炎症性細胞の浸潤とは、感染への防御機構として血管網の発達血管の拡張が起こって好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・マクロファージなどの血液成分が周囲組織内に浸出、停滞することをいいます。

すなわち歯周組織に感染が生じている状態では、ささいな刺激によっても血管が破れやすいためプローブ(ポケットをはかる器具)を挿入すると出血が起こるのです。

歯肉からの出血が意味すること

バイオフィルムが歯面に存在すると、生体の防御反応によって周囲の歯肉に炎症が生じます。

炎症による症状は、発赤、腫脹、疼痛、熱感、機能障害といった、いわゆる炎症の5大兆候と言う形で現れます。

歯周病になった場合は、発赤腫脹が代表的な症状となります。

さて、歯肉炎と歯周炎の違いがわかりなりましたでしょうか。

歯肉からの出血は体からの黄色信号だと思ってください。

赤信号にならないように、少しでも気になる症状があれば歯科医院に行って、検査を受けて重症にならないうちに早めに治しましょう。

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