先日、向島歯科医師会で歯周組織再生療法の講演会が行われましたので、一部をご紹介します。
歯周病とは
歯と歯茎の境目に付着したプラーク、歯石の中に存在する歯周病細菌により、歯肉の発赤、腫れ、出血などが起きる病気です。
進行すると、歯と歯肉の間に深い隙間いわゆる歯周ポケットができ、そのままにしておくと歯を支えている歯槽骨などの歯周組織が破壊されて、結果的に歯を失う原因となります。
歯周病の進行
歯周病の症状としては、まず歯肉の炎症(発赤、腫れ、出血)などの症状が現れ、歯周ポケットの形成がされます。その次に歯槽骨などの歯周組織の破壊が起きます。
歯周病は歯の喪失原因の第一位
全国の調査によると、抜歯の原因で最も多かったのが歯周病でした。
歯周病の治療
歯周病の治療には大きく分けて歯周基本治療と歯周外科治療の2つがあります。
歯周基本治療は歯周病の原因であるプラーク、歯石を除去し、炎症症状を改善するために行われます。
歯周基本治療だけでは症状が十分に改善せず、深い歯周ポケットが残っていたり、複雑な歯槽骨の欠損が認められる場合は、歯周外科治療が行われます。
歯肉剥離そうは手術(フラップ手術)
フラップ手術は歯周基本治療では除去できなかった歯周ポケットの深いところに存在するプラーク、歯石などをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の1つです。
歯肉に局所麻酔を行った後、歯肉を切開、剥離してプラーク、歯石などを取り除きます。
フラップ施術時に歯周組織再生療法を併用することで、失われた歯周組織を再生させることが可能になってきます。
リグロスを用いる歯周組織再生療法
リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。
フラップ手術で、プラーク、歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。
リグロスによる歯周組織の再生
リグロスは、成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。
これらの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。
歯を抜かないでも済む可能性があります
歯周病は進行するまで自覚症状の少ない病気です。
そのため、気づいたときには病気が進行して、歯支える歯槽骨などの歯周組織が破壊され、歯を抜かなければならない場合もあります。
歯周組織再生療法は、その名の通りはを支えている歯周組織を再生する治療法です。
この治療を受けることで進行した歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性があります。
歯周病と全身疾患との関係
近年の研究で、歯周病が全身疾患と可能性が示されています。
糖尿病との関連性は強く、歯周病は糖尿病の合併症の1つであるだけでなく、糖尿病を悪化させる場合があります。
墨田区、押上、曳舟、八広、鐘ヶ淵、小村井、東あずま 周辺で
歯の相談なら、おそざわ歯科へどうぞ。
いいね!して最新記事を
チェックしよう!